世界ふれあわない街歩き

人見知りの住所不定無職が、ふらふら1人旅をするブログ

青春18切符旅③長崎・軍艦島弾丸旅



3/4 金曜日
朝4:30起床。早い。だけど、その前に怖い夢を見てうっすら起きてはいた。
友達の弟が船から落ちて亡くなって、首がスクリューか何かで切断された状態で見つけてしまい、それを拾って陸に連れてくるという最悪の夢だった。海底から浮かんでくる虚ろな顔が怖かった。
何か病んでるのかな。。(ニートのどこに病む要素が…?)

軽く朝ごはんを食べて、夜明け前の真っ暗な道を駆け足で笹原駅へ。
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夜中に雨が降ったみたいで地面が濡れていた。
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駅の窓口は6:10からなので、青春18切符のスタンプは車掌さんに押してもらうことにして、始発5:23のの鹿児島線に乗り、鳥栖で2両しかない長崎行き普通電車に乗り換えて、いざ、長崎へ。

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人はまばら。


前日色々調べていた時に、以前から気になっていた軍艦島の存在を思い出し、翌日の朝10時発の上陸ツアーがたまたま1人分だけ空いてるようだったので、急遽長崎行きを決定。土地勘も距離感もわからず、九州という括りで行けるやろと思い、日帰り旅を決めてしまったけど、普通に遠い。鈍行で4時間かかる。中部地方来てるんだから名古屋から岐阜の高山も日帰りで行けるやろと思ってしまうようなものだったと思う。甘い。遠い。あと、佐賀完全にスキップしてしまって、ごめんなさい。

そのスキップしてしまった佐賀あたりから空が白み始めて、乗客も増えてきた。学生さんが多いね。

穏やかな有明海を眺めながら、1人、世界の車窓からごっこをする。

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が、早起きしたせいか途中から記憶がなくなり、気がついたら長崎に到着。
というか気づいてもいなかったので、危うく折り返しで鳥栖に戻ってしまうところだった。

ワンマンカーで車掌さんはスタンプもらえなかったので、改札でゲット。
私の前にも3,4人ほど18切符ユーザーがいた。
JR九州のスタンプは「ありがとうございます」とついてる。

改札を出てすぐのインフォメーションで地図を貰う。
10:10には軍艦島ツアーに集合なので、とりあえず路面電車乗って大浦海岸通りまで向かう。

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駅の周りや栄え方をみていると、長崎はなんか豊橋っぽい。笑
路面電車のせいかな。
旅先をすぐに自分の知ってる土地に喩えてしまう。

乗り換え地点で120円を払い、乗り換えチケットをもらう。
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20分ほどで大浦海岸通りに到着。その時はチケットを入れるだけでOK。
500円の1日乗車券を買うか迷ったけど、一回の乗車で120円だから、最低5回は乗らなきゃいけないけど自分の滞在時間短いし、坂もなく歩ける距離だなと思ったので、買わなかった。

駅を出て海側にまっすぐ歩いて行くと「軍艦島ツアー」の幟が見える。
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今回は唯一空きがあったシーマン商会さん主催ツアー、さるくII号へ。
受付をして、記念の黒いダイヤモンド(=石炭)を貰い、ツアー代3600円と入島代300円を払って席に案内される。
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受付が遅かったせいか、1番前の進行方向と逆向きの席しか空いていない。。。
船だけは酔いやすいので怖かったけど、仕方なく座る。急いで酔い止めを飲む。

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ここ座ってた。


10:30頃出港。おじさんが港の中の船やドックや橋を案内してくれるけど、案の定私の席からはあんまり見えない。一通り説明が終わった後、その説明してたモノが見えて「あ〜〜さっきの〜〜これのことか〜〜」ってなるだけでした。説明も、おじさんの滑舌(なのかそういう訛りなのか)と、船のエンジン音と、感音性難聴気味な私の耳のせいで、あんまり聞こえんかった。笑
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イージス艦も長崎で造られてるとか、大昔にオランダかどこかから輸入したクレーン?が現役だとか、豪華客船が今も造られているとことか、三菱の造船所のでかいクレーンは一つで大型バス230台を吊り上げるパワーがあるとか。

けど、船とか電車とか飛行機とか、人が造ったとは思えないくらい大きいモノが作られているところって見てると面白いよね。

隠れキリシタンが多く住んでいた島とかを抜けて外洋に出ると船が揺れ始める。天気はいいけど、風は強いみたい。
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20分ほどで端島、通称軍艦島周辺に到着。写真や映像で見ていたけど、それとは全く違う迫力。
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逆光、、、

つい半世紀ほど前までは三菱の炭鉱業で栄えに栄え、5千人以上が住んでいたのに、石油エネルギーへの転換によって人口は激減し、今はもう人が入れないほどに朽ちてしまっている島。島の一つでも
さえも「使い捨て」してしまう、人間の傲慢さそのもののような気がして、何とも言えない、ゾッとする感覚を覚える。

島が1番軍艦に見えるポイントで船のデッキに上がらせて貰い、写真撮影。風強い。波高い。

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軍艦というと広島の呉で模型とかを見たことある位ですが、確かに、大海原を揺れることなく航海してそうなどっしり感はあります。

後方座席の人たちも入れ違いで写真撮影をし、最後にトイレ休憩。島にはトイレがないそうで。
その後は反対側のドルフィン桟橋に向かい、いざ上陸。

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廃墟。

スタッフさん達が慌ただしく動き回り、上陸の準備が進められる。
降りるときに両手が使える状態にならなきゃいけないため、お客さん達も荷物をまとめる。
と、思った矢先、船長さんのアナウンスが。




「長崎の条例で、安全確保のため、しけが0.5m以上ある時は上陸を中止するように定められており…」



うそだろ。



「…本日、目で確認できるだけでも1.5mほどの波があるため、大変申し訳ありませんが、上陸を見合わせざるを得ません」



まじかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
船内に響き渡る「えええええええ〜〜〜〜〜〜」という落胆の声。

ここできて上陸キャンセルとは!!
もっと前にわかってて欲しかったというか、できないなら船出さないで欲しかった。

普通に島で釣りをしているおじさん達がいたので、上陸できないこともなかったんだろうけど、条例があるんじゃ仕方ない。

予め波の高さ測るものを島に置いて、遠隔で見えるようにして、高ければ欠航にすればいいのにね。
桟橋が南側にあるので、南風が強くなるこれから夏にかけては波が高いそうです。
もっと寒い冬に来るべきだった。

仕方なく、お隣の高島に上陸。笑
こちらは普通に今も高齢者の方が住む、軍艦島より大きい島、こちらも昔は炭鉱で栄えていたそうです。

そこにある軍艦島の模型でガイドを受け、各自、自由時間。炭鉱資料館しかないですが。

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ちなみにその模型は崩れる前の軍艦島の姿で残っているので、当時どんな暮らしだったかとかを教えてもらえます。当時は最大規模だった高層鉄筋アパート、小中学校、デパート、病院、映画館、寺社、プール、公衆風呂、貯水槽、そして、炭鉱。なんでもあった模様。しかも、施設同士が地下か空中通路で繋がっていたので、雨に濡れることもなく移動できる、かなりの近未来都市感。

三菱の役員とか炭鉱長みたいな偉い人は島の上のオーシャンビューの風呂付き部屋に住んでいて、アパートも上の階の方に行けば行くほど偉い人が住んでいたみたい。小さい島にも格差はあった。
ちなみに、8階建のアパートは水洗トイレじゃなくて、ぼっとんトイレだったらしい。
下っ端の人が住む一階の人は上の階から落ちてくる音を毎日聞いていたとか、地獄だね。

海底採鉱の仕事はもちろん大変で、湿度95%、気温40度の中、爆発などの危険に晒されながら毎日真っ黒になって働いていた。事故も何度かあり、250名の方が亡くなったらしい。(隣の無人島に火葬場を造ってあって、今もそれが残っています。)

ちなみに月収は今の値段で約80万円ほど!すごい!テレビの普及率が日本全国で8%の中、この島だけ100%だったということからも、当時のリッチな生活がうかがえる。

というような説明を聞いていたらあっという間に時間が過ぎた。
自由時間の後は、岩崎弥太郎の像の前で集合写真。
女子大生が「岩崎弥太郎って誰?」「なんか、三菱の偉い人」って話してて思わず吹いた。

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なんか三菱の偉い人。笑



帰りの船の中ではアツアツのおしぼりを貰った。船に乗る前も飴を貰った。
細やかなサービス。

軍艦島は行けなかったので、300円を返金してもらい、上陸してないけど、記念の上陸証明書を貰う。笑
ツアーのお兄さんが撮ってくれた、集合写真はHPから勝手にダウンロードしていいらしい。証明書の裏にQRコードがついていた。
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上陸してねえ………

また船に揺られて、午後1時前には港に到着。殆どの人がそのまま長崎ちゃんぽん発祥の店という中華料理店に向かっていったけど、麺の気分ではなかったので、そのまま坂を登ってレストランKIZUNAというところでトルコライスをいただく。

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ピラフとパスタにカツが乗ったものをトルコライスと呼ぶそうで…何がどうターキッシュなのかわからないけど。カツがハンバーグだったり、店によって色々違うみたい。

お腹が膨れると眠気が襲ってきて、そのまま店で爆睡。笑
やっぱり寝不足はよくないね。

起きて、すぐ近くのグラバー園へ。
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日本史を取っていなかったので、映画や漫画の知識しかないけど、日本の近代化をやたら支えてくれたスコットランド人のグラバーさんやその他イギリス人の居留地だったそうです。

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グラバーさん胸像

高台にあるので、行きは歩く歩道エスカレーターで、下りながら色んな建物を観れるので楽です。
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5、6軒ほどある建物の外観は和洋折衷、中身は完全ヨーロピアンブリティッシュ。見事なバランス。
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お花もいっぱい

景色も良く、山の斜面に張り付くように建つ家々や港が見渡せます。
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ヨーロッパの田舎、ポルトガルリスボンとかを彷彿とさせる町並み。(坂道の感じも…)
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下手に海外行くより異国情緒に溢れているなという感じです。

暖かいので、時折ベンチに座ってうとうとしてみると、気持ちがいい。
かなりゆっくりしてしまったようで、思いっきり帰りの電車を逃す。

次の電車が1時間半後だったので、ゆっくり歩いて駅へ向かうことに。

途中で、童話館の建物にも寄りました。
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小さい頃、親が童話館のブッククラブで毎月2冊本を買ってくれていたので、知っている、持っている本ばっかり。私の基本的な価値観や言語感覚はこの本達が作ってくれたといっても過言じゃない。
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確実に小説や論文よりも、たくさん読んだ、というより呼んでもらった。笑
美術館は時間なかったので、次の機会に。

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大浦天主堂も、次の機会のお楽しみにする。

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オランダ坂だけはちらっと見た。登るのはしんどそうだったのでスキップ。笑

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出島は何か工事中だった。
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路面電車8駅分歩いて、長崎駅に戻りました。

ここからまた長い電車旅なので、何か買おうとおみやげ屋に入る。
大学の友人のお母さんの長崎のお友達曰く(遠い!)「角煮まんが有名だけど、それよりも小さい普通のなんとかっていう肉まんがおいしい」らしい(ざっくり!)ので、それなのかどうかわからなかったけど、桃太呂というところで肉まん2つ購入。一個80円!
写真撮り忘れたけど、ふわふわで具もしっかり入ってて美味しかったよ!

帰りの電車は3時間45分。
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ほぼ爆睡していて、高校生の帰宅ラッシュも気にならないくらいでした。
鳥栖で乗り換えてから何か気持ちが悪くなって、吐くかと思ったけど、寝る前には治った。
何だったんだ。

長崎はわかってたけど、日帰りじゃ足りないね!
また今度ゆっくりしに来たい。

明日は大分県、別府に行きます。